思考回路Zero

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鍵泥棒のメソッド

運命じゃない人
『アフタースクール』
そして、今作。内田けんじ作品はすべて劇場で観覧している。
『運命じゃ−』よりも視点を減らし、『アフターS−』よりも構成がシンプルになっている。…そんな印象。
より、大勢の観客に見てもらうためには仕方のないことでしょうが。
今作ではクラッシック曲を取り入れ、さらにキャラの印象を濃くしている演出は効果的でした。


売れない貧乏役者 桜井=堺雅人
伝説の殺し屋 コンドウ=香川照之
婚活中の女性編集長 香苗=広末涼子


売れない貧乏役者は人生に失望し自殺を試みるも失敗し銭湯の回数券を持って銭湯へ。
ひと仕事終えた伝説の殺し屋コンドウは渋滞にはまり、目をやった先にあった銭湯へ。


ここで、コンドウは石鹸で足を滑らせ、頭部を強打。
この隙に、桜井はコンドウの鍵と自分の鍵を交換。
救急車で搬送されたコンドウは記憶喪失、かつ、手元に桜井の荷物がある。


記憶を失っただけではなく、今まで見たことも経験したこともなかったものがアル。
というのが、記憶を戻りにくくしている。


記憶を失うと、
貧乏性な殺し屋 コンドウ=堺雅人
役者を目指す生真面目な記憶喪失者 桜井=香川照之
婚活中の女性編集長 香苗=広末涼子 という設定になる。


配役が入れ替るという作品は過去に『フェイスオフ』『ドンキホーテ』『転校生』とあったが、今作は、そこに「婚活中の香苗」が組み込まれることで軸ができていて新しかった。


記憶を失った元殺し屋は自分を「桜井」と思い込み、役者を目指す。
そんな桜井に好意を寄せる香苗、売れない役者は殺しの依頼を受け…な展開。
このキャラの状態で、まったく接点の無かった3人が、スリリングでコメディな展開を繰り広げていく。


そして、そのラストには内田作品ならではのイイ意味での裏切りとトキメキのラブストーリー?が待っている。


劇場で!
★★★★★
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<ネタバレ>


渋滞の原因が撮影で、
渋滞してたから銭湯に寄って、記憶をなくし、
結果的にその撮影していたエキストラに参加する
・・・という映像の向こうのほうに映っている細かい展開が、パズルを組み立てていくような、面白さもあって楽しめました。